バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 それからわたしは修道士達の力を借りて、さまざまなことを教わった。
 その一環で、立派な王太子妃になるために必要だからと男を喜ばせるいろはを学んだが、果たしてそれは本当に必要だったのだろうか?

 思考回路が正常であれば「明らかにおかしい」と言えたはずなのに、なぜかこの時のわたしは代わる代わる男性の相手をするのに嫌悪感の1つもいだくことなく、素直に応じていた。

 それもすべて、ジェラルド様に喜んでもらえるために必要なことだと、本気で信じていたからだ。

「これほど立派な性技を身につければ、殿下も大層お喜びになるでしょう」
「もう、学ばなくていいの?」
「はい。そろそろ、本番と参りましょう」

 リーダー格の男は、姉様を秘密裏に始末する方法を教えてくれた。
 わたしはさっそく行動に移すべく、実家に戻る。

「リナリア! 今まで一体、どこに行っていたのだ!」
「父様! わたし、修道院に見初められたの!」
「な、なんだと……?」

 修道院は、身寄りのない子どもや俗世にうんざりした女性、罪を犯した人々などが門を叩く場所だ。

 ジェラルド様と婚約を結んでいながらそんなところに頼るなんてあり得ないと、父様は呆然と立ち尽くす。
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