バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「考えてやらんことも、ない」
「ほんと!? 絶対! 約束だよ!」

 リナリアから男の名を耳にしたオレは、婚約者が暮らす部屋の窓を見つめた。
 そこにはいつの頃からか、こちらを見ないように本を読むルリミカの隣に1人の男の姿があった。

 遠くからでも目を引く銀髪。
 不愉快そうにこちらを冷たい瞳で見下す男の名は――。

「あのね! 姉様は、毎日ダグラスに求婚されているの!」

 ダグラス・ゼヴァイツ。
 公爵家の3男だった。

 ――なんで王族のオレと婚約を結んでおきながら、公爵令息と一緒に密会なんかしてるんだよ……!

 この場で叫び出したい気持ちをぐっと堪えたのは、みっともなく喚き散らしたところで彼女にますます嫌われてしまうと容易に想像がついたためだ。
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