バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 腰に剣をぶら下げてはいないが、相当な手練だ。
 オレはすぐさま護衛に声をかけてこいつをどうにかしてもらおうとあたりを見回すが、その隙を突かれてあっという間に拘束されてしまった。

「な、なんのつもりだ! オレは王太子だぞ!?」
「自国の民を見捨てたくせに。よくもまぁ、王族だと威張れるものですね」
「こんなことをすれば、ホトロスが黙っていない!」
「あのような小国に攻め込まれたところで、我が帝国は痛くも痒くもありません」
「く……っ! 離せ!」

 バタバタと四肢を動かして抵抗するが、屈強な男達に四方八方を囲まれてしまえばどうしようもない。
 オレは最後の気力を振り絞り、彼女に向かって愛を囁く。

「ルリミカ! 愛しているんだ! どうか、もう一度! オレにやり直すチャンスをくれ!」

 自分がどれほどみっともない存在になろうとも、構わなかった。
 この声が嗄れるまで想いを叫び続ければ、きっと相手にも届くはずだ。

「お断りいたしますわ」

 しかし、オレの告白はあっさりと彼女に断られ――。
 オレは絶望のまま、光の届かぬ地下牢に連行された。
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