バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 どちらも彼女を生き返らせるために民を傷つけ、見て見ぬふりをしているらしい。

 こんな状況でお披露目会など開催したら、彼らは間違いなくルリミカを連れ戻そうとするだろう。

「ここで、潰すか……」

 そうと決まれば、さっそく行動に移すべきだ。
 俺はロバートを手招きして筆記用具をもってこさせると、その場で手紙を描いた。

「これをホトロス王国の王太子に届けろ」
「先ほどの件は……!」
「考えておく」
「かしこまりました!」

 先程の報告が正しければ、あの男は嬉々としてこの帝国へ足を運ぶだろう。
 彼女に対する好意がすでに薄れていた、その時は――。
 何事もなく、式典を終わらせられる。

 俺は手紙を手にした使者が足早に去りゆく姿を剣呑な表情で眺めたあと、気持ちを切り替えて公務に集中した。
< 234 / 260 >

この作品をシェア

pagetop