バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 そう思えば、悔しくて堪らなかった。

 けれど――。

 ここで彼らを叩き潰せば、もう二度と奴らの口車に乗せられる少女達はいなくなるはずだ。
 これを好機と見て、行動するべきだろう。

「人聞きの悪いことを……。我らはリナリア様の望みを叶える手伝いをして差し上げているだけに、過ぎません」
「そうだよ! 殿下を誘惑する方法も、願いを叶える方法も、全部教えてくれたんだ! そのおかげで姉様にも、再び会えたんだよ! どうして、悪者扱いするの……?」

 リナリアは納得できないと涙目で訴えかけてくるが、彼女の説得を試みたところで妹の罪が消えるわけではない。

「これ以上の話し合いは、時間の無駄だ」
「そうですわね……」

 私は低い声でこちらに促したダグラスの言葉に了同意を示すと、足を開いて大きく息を吸い込む。

「私の歌であなたの悪しき魔力を、浄化して差し上げますわ!」
「姉様になんか、負けないんだから!」

 私達はほとんど同時に、歌声を響かせた。
 ソプラノとアルト。
 まったく異なる歌詞の歌が時には混ざり合い、釣られそうになる。
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