バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「貴様のようなクズがいるから、ルリミカはあの男に叶わぬ恋心をいだき続け、俺になど見向きもしてくれなかった。貴様さえいなければ、貴様さえもっと早くに殺していれば、貴様さえ、貴様さえ、貴様さえ――!」

 何度も、何度も、何度も。
 恨みの籠もった呪詛を吐き出す姿は、尋常ではない。
 ダグラスの味方であるはずの騎士団員達も、主の豹変っぷりに引き気味だ。

 ――私の歌声で、ダグラスの心が少しでも和らぎますように。

 そんな願いを込めて歌えば、夫もようやく我に返ったようだ。
 彼は今にも泣き出しそうなほどに瞳を潤ませ、ようやく剣を鞘に収めて私が手の届くところまでやってきた。

「やり過ぎ、ですわ……っ」

 ああ、よかった。
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