バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「初めまして、ベリアージュ公爵夫人。ゼヴァイツ公爵家のダグラスと申します。将来、ルリミカ嬢の夫となる予定の男ですので、どうぞお見知り置きを」
「な……! ルリミカは、国母となるべく私が手塩にかけて育ててきた愛娘よ! ゼヴァイツ公爵家になど、嫁がせるわけがないでしょう!」
「殿下がルリミカ嬢を、暴行していたとしても?」
「当たり前でしょう! 彼は王太子なのよ!? 妻として、どんなことをされても笑顔で耐え抜き、文句を言わずに尽くすのは当然だわ!」

 しかしそれは、火に油を注ぐ行動でしかない。
 母親は私がどれほど酷い目に遭ったとしても、文句を言わずに耐え抜くべきだと豪語する。
 その話を聞いたダグラスは、冷たい瞳をしながら声を発した。

「夫人はルリミカ嬢に、己の願いを叶えるために奴隷になれと仰るのですね」
「貴族の癖に、言っていいことと悪いことの区別すらつかないの!?」
「ルリミカ嬢に苦痛を与えているのは、俺ではなくあなたのほうだ」
「なんて失礼な子どもなのかしら……!?」

 母親は憤慨した様子で、いつこちらに火の粉が降り注ぐかわかったものではないと怯える使用人達に向かって、声を荒らげた。
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