バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「あなた達! 何をぼーっと突っ立っているの!? 今すぐルリミカを保護して! つまみ出しなさい!」
「ゼヴァイツ公爵令息……!」

 ラルラが危機を悟り、彼が抱きかかえている私を守るために前に躍り出ようと試みる。
 しかしダグラスはそれをジェスチャーで制すると、臨戦態勢に入った。
 どうやら、両手が塞がったまま大立ち回りを繰り広げるつもりのようだ。

 ――このまま口を挟まずに黙認していたら、大事になりそう……。

 私はできる限り原作と齟齬が出ないように立ち回っているのに、これではこちらの努力が水の泡だ。

 ここは使用人達に父を呼んでもらって、場を収めてもらうしかないだろう。

「父様を――」
「早くしないと、全員クビにするわよ!」

 娘と公爵夫人。
 使用人がどちらの命令に従うか。
 そんなことは、考えなくてもすぐにわかる。
 だからこそ、私は慌ててダグラスを静止した。

「ダグラス! これはベリアージュ公爵家の問題ですわ! 使用人達に、手を出さないでくださる!?」

 彼はまさか自分が声を荒らげるなど思いもしなかったのか、目を丸くして臨戦態勢を解いた。
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