バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「それが君の願いなら、俺が喜んで叶えよう」

 その人物の顔を確認するためにはっと上空を見つめた直後、胸元に激痛が走る。

「う、く……っ!」

 荒い息を吐き出しながら目線を下に向ける。
 すると――いつの間にか男性の右手に握られた鈍色の刃物が、己の身体に突き刺さっているのに気づいてしまった。

「な、なんで、ですの……?」
「わからないのか」
「あ、たりまえ、ですわ……!」
「君を愛しているからに、決まっている」
「へ……?」

 気の抜けた返事を出してしまうのも、無理はなかった。
 私の予測が正しければ、この男性とはまともにプライベートな会話すらした覚えがないのだから。

 彼に好かれているなど、思いもしなかった。
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