バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 だからこそ、どんなところが好きなのかを聞きたくて――必死に声を荒らげて疑問を口にしたいのに、うまく言葉が出てきてくれない。

「どう、して……!」
「もう一度、やり直すんだ」

 ようやく絞り出した問いかけの返答を聞く前に、身体が耐え切れずにその場へ崩れ落ちる。

「あいつと結婚する前に、俺が君を愛してやるから……」

 朦朧とする意識の中で、ゆっくりと目線だけを上部に向ける。
 そこでようやく、己の刺殺を試みた人物が想像通りの人物だとはっきり認識した。

「ダグラス・ゼヴァイツ……!」

 ぱっと目を引く銀髪と、水のように透き通った瞳が気怠げな印象を与える。
 泣く子も黙る品行方正な王立騎士団の団長によって急所を抉られた私は、あっさりとその場に力なく倒れ伏した。
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