バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 ――それが後々、「判断ミスだった」と後悔をする羽目になるなど、気づかぬまま……。

「わ、私は黒の歌姫ですわ。そんな2つ名は、聞いたことなど……」
「あなた様が混乱なさるのも、無理はありません。歌うことでさまざまな超常現象を発揮する救済の歌姫の存在を知るのは、この国でも限られた一握りの人間のみですので!」
「ならば、なぜ……」
「このペンダントは、救済の歌姫と呼ばれるに相応しき女性の歌声に反応を示すのです!」

 司祭の説明を受けて、先程私を転ばせた眩い光の正体がなんなのか知った。
 それは彼の首元にぶら下げられた星柄のネックレスが、発光したせいだったのだ。

「この国に、この力を受け継ぎしものが生まれているのには気づいておりました。姉妹のうちどちらか1人なのではないかと予測していましたが、まさかこんなにも早く見つかるとは! しかも、あなた様が自らこの修道院の門を叩くなど、これはまさしく神のお導きとしか言いようがありません!」
「あなた……。一体、何を言っていますの……?」
「これからたくさん痛めつけて我々に対する憎しみをいだき、救済の歌姫としての力を覚醒させなければ……!」

 司祭はすっかり興奮しているようで、私に聞かせるべきではない言葉まで発し始めた。
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