バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「しかし――。ヴァルツハイユ帝国の皇帝に見初められた彼女は、嫁ぎ先で夫に裏切られて憎しみをいだくようになり、歌を聞いた人々を恐怖のどん底に陥れてしまったのです」

 初めて救済の歌姫と呼ばれた女性は、己の特殊能力を知らないあまり、無意識的に他者を傷つけてしまったらしい。
 その事態を重く見た皇帝は、自らの手でけりをつけることにした。

「救済の歌姫は、皇帝に心臓を一突きされて命を落としました。2つの国の王家には、もう二度と同じ過ちを繰り返さないようにそれぞれ家宝が受け継がれたのです」

 それが、司祭の首元にぶら下がっているネックレスなのだろう。
 救済の歌姫の発見器。
 そして、もう1つは……。

「ヴァルツハイユ帝国の王家には、剣が送られました。救済の歌姫が再び闇に飲まれた時、屠るために……。我々は彼の帝国に、あなた様の命を奪われるわけにはいかないのです」

 司祭は最悪の状況が作り出される前に、邪魔なヴァルツハイユ帝国の王族を抹殺したいのだろう。
 そのために私を痛めつけ、こうなったのは帝国のせいだと憎悪を植えつけ、彼の国を恐怖のどん底へと陥れようと画策している。
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