バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「抱き上げるぞ」

 しかし、彼はこちらの驚く姿などまったく気にした様子がない。
 当然のようにそう宣言して己の身体を抱き上げると、迷いのない足取りで歩みを進め始めた。

「もう、目を開いてもいいんですの……?」
「俺に言いたいことは、それだけか」

 私はダグラスの不機嫌な声を聞き、このまま意識を失いたくなった。

 でも……。
 その選択をしたところで、彼と険悪な雰囲気になるのが遅いか早いかでしかない。

 だったらさっさと嫌なことは終わらせるべきだと判断し、ゆっくりと瞳を見開きながら声を発した。

「あなたなら、助けに来てくださると信じていましたわ……」

 ダグラスはまさか、自分が素直になるなど思いもしなかったのだろう。
 仄暗い瞳を浮かべてこちらを凝視していたが、言葉を詰まらせる。

 ――どうやら、私の作戦は大成功みたい。

 気分をよくしながら、朦朧とする意識の中で声を発し続ける。
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