バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「今日は、珍しく……。間に合いましたのね……」
「俺はいつだって、最善の行動を選び取っている」
「本当ですの? 今までは、まったくこちらに伝わってきていませんでしたわ……」
「これからはもっと、己の存在感を示せるように努力しよう」

 彼の瞳にはいつの間にか、光が宿っている。
 その光景に見惚れていれば、眠くて目を細めたと勘違いされてしまった。

「身体がつらいのなら、もう眠れ」
「でも……。私はまだ、あなたに感謝を伝えていませんわ……」
「もう、充分だ。君がいつもの元気を取り戻した時、俺の秘密を打ち明けよう」
「なんですの? それ……」
「おやすみ、ルリミカ」

 こちらが今すぐ教えてくれと言う前に、首筋へ手刀が押し当てられる。
 いつまで経っても寝入る様子のない自分に痺れを切らし、強制的に意識を奪おうとしたのだろう。

 ――ダグラスに心を許しかけた、私が馬鹿だった。

 このまま馬車に揺られたら、まずいことでもあるのだろうか?
 私は最悪な気分のまま、深い眠りに誘われた。
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