バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
2・人生三度目の、悪役令嬢ですわ!
――生まれた時から国母となることを定められていた自分にとって、歌うことはストレス解消の一環だ。
喪服のようなドレスを身に纏い、顔を覆い隠すヴェールのついた黒のトークハットをつける。
身分を隠し、平民に混ざって古びた小劇場で歌声を響かせているうちに、いつの間にか「黒の歌姫」と呼ばれるようになった。
どこかで聞き覚えのある2つ名に引っかかりを感じながら、12歳の誕生日を迎えるまでは何事もなく暮らしていた。
しかし――平穏な日々は、小劇場にある青年が姿を見せたことで終わりを告げる。
「君の歌は、本当に素晴らしい」
「あ、ありが……!」
太陽の光を浴びて鈍色に光り輝く銀髪と、水色の瞳を持つ男性。
10年後に王立騎士団の団長として名を馳せる15歳の青年は――ダグラス・ゼヴァイツ。
かつての私を死に追いやった人物が、自分へ会いに来たと知ったからだ。
「う……っ」
笑顔でお礼を言う気にはなれなかった。
一度目の人生で己を殺した人間になど、心を開けるはずがない。
「う、ぁ……っ」
「どうした」
そう、思っていたからだ。
なのに――。
脳裏にはなぜか、存在しない記憶が山程浮かんでは消えていく。
喪服のようなドレスを身に纏い、顔を覆い隠すヴェールのついた黒のトークハットをつける。
身分を隠し、平民に混ざって古びた小劇場で歌声を響かせているうちに、いつの間にか「黒の歌姫」と呼ばれるようになった。
どこかで聞き覚えのある2つ名に引っかかりを感じながら、12歳の誕生日を迎えるまでは何事もなく暮らしていた。
しかし――平穏な日々は、小劇場にある青年が姿を見せたことで終わりを告げる。
「君の歌は、本当に素晴らしい」
「あ、ありが……!」
太陽の光を浴びて鈍色に光り輝く銀髪と、水色の瞳を持つ男性。
10年後に王立騎士団の団長として名を馳せる15歳の青年は――ダグラス・ゼヴァイツ。
かつての私を死に追いやった人物が、自分へ会いに来たと知ったからだ。
「う……っ」
笑顔でお礼を言う気にはなれなかった。
一度目の人生で己を殺した人間になど、心を開けるはずがない。
「う、ぁ……っ」
「どうした」
そう、思っていたからだ。
なのに――。
脳裏にはなぜか、存在しない記憶が山程浮かんでは消えていく。