転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 中には怠け者もいないわけではないけれど、そういった者は周囲の人にお尻を叩かれるのだそうだ。

(きっと、この領地には余裕があるんだろうな……)

 魔物が出没するということは、裏を返せばその魔物の素材を入手しやすいという環境でもある。備えをしっかりし、魔物を退治できるという前提があれば、この地に余裕があるのもわかる気がした。
 そんな話をしている間に、馬車は目的地に到着していた。ユリアはジョイの膝から滑り降り、アーゲルに続いてぴょんと馬車から降りる。

「ここ、どこ?」

 ユリアが見上げていたのは、石で作られた立派な建物だった。広い庭があるが、そこは大半が畑になっているようだ。
 領都の中心地からは離れた場所にあり、街の外周に近い場所にある。

「お前達の能力に気づくまでは、ここに連れてこようと思ったんだよ」

 と、ジョイはついてきた護衛の騎士達に、馬車から荷物を運び出させていた。

「まあまあ、ジョイラージュ様。お待たせしてしまいましたか?」

 慌てた様子で出てきたのは、灰色のワンピースに白いエプロンをつけた女性だ。
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