転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「子供が情けない顔するもんじゃないぞ。厨房に行ってなにか食わせてもらおう」
「それって、ジョイがなにか食べたいだけなんじゃないの?」
「それもあるかもな」

 けらけらと笑いながら、ジョイはアーゲルを厨房に連れていく。
 そして、料理長からビスケットを貰うと、それをアーゲルに食べさせたのだった。
 夕食の時間まで、ジョイがアーゲルの相手をしてくれた。一緒に本を読んだり、剣の相手をしてくれたり。
 夕食は辺境伯家の人達がそろっていたけれど、ユリアひとりいないだけで、すっかり食卓が寂しくなったように感じられる。伯爵家にいた頃は、いつも殺伐とした中で食事をしていて、それが当然だと思っていたのに。

「……つまらないな」

 つい、口から漏れる言葉。

(いや、何考えてるんだよ。あんなの、誰だってかかる病気だろ)

 ふたりきりで旅をしていた時も、『星を守る者』に同行するようになってからも。皆、幼いユリアには気を配っていた。いや、アーゲルにも気を配ってくれていたが、アーゲルは自分のことは自分でできる年齢だ。
 ユリアを守ってここまで来て――そして。
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