転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 ユリアがベッドから出るのを許されたのは、発熱してから五日後のことだった。アーゲルとふたり、てくてくと庭を歩きながらつぶやく。

「まさか、あんなに熱が出るとは思ってなかったなあ」
「でも、ひとつ経験は積めたよね。病気になった時のことを考えておかなくちゃ」
「……うん」

 アーゲルは、この家から出た時のことを考えているのだろう。
 怪我ならアーゲルの魔術で治せる。でも、病はうかつに治しては駄目だ。きちんと薬を用意しておいたほうがいい。

「グレイス様、おはようございます」
「ええ、おはよう!」

 朝食前にアーゲルと散歩をしていたら、グレイスがぶんぶんと槍を振り回しているのに出会った。
 いつもは貴族夫人らしいドレスを身に着けているグレイスだが、今日は騎士のような服を身に着けている。

「ふたりはどうしたの?」
「えっと、お散歩!」
「あらそう!」

 びゅんっとグレイスの槍がうなりを上げる。ユリアもアーゲルも目を丸くしてしまっていた。
 武術に関することはよくわからないが、グレイスの腕は並々ならぬものであるようだ。
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