転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「あー……」

 今度は、ユリアが遠い目になった。あの家では、剣にすぐれない者は、存在しないも同然だ。家族でさえそうなのだから、もしかしたらその考えが領民にも及んでいるのかもしれない。
 今までよりも保護しなければならない人が増えた結果、財政が悪化しているのだろう。しかも、その原因はふたりの生家である。

「……にいちゃ、あたし達なにかできないかな?」

 夜、周囲に大人達がいなくなってからユリアはひそひそとささやいた。アーゲルとユリアのベッドは並んで置かれているから、こうやってひそひそ話をするのにもちょうどいい。

「……そうだね」

 辺境伯家の財政には問題ないと聞かされていて、それで納得していた。食べるものに不自由しないし、綺麗な服も着せてもらっている。
 けれど、それはぎりぎりのところで回している。借金こそないものの、なにか大きな問題が発生すれば今の状況が崩れかねないところまで来ているそうだ。

「僕達、お世話になっているわけだし、このまま見ているだけっていうのも苦しいよね」

 アーゲルも頭を捻っている。

(……よかった)

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