転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 アーゲルが失敗するとは思わないが、フリーズドライを再現したとしても美味しくないかもしれない。だって、前世のフリーズドライ食品は、何人もの人達が関わって、味を作り上げていたのだから。
 この屋敷の料理人が作る料理はどれも美味しいけれど、味の調整は絶対に必要になる。

「なるほどね」

 アーゲルも納得した様子を見せた。そして、先ほどと同じように魔術を使う。

「……粉になった!」
「そしたら、ここにお湯を注ぐ」

 なにしろ量が少ないので、お湯を注ぐのも慎重に。スープを分け合ったユリアとアーゲルは顔を見合わせた。

「薄い!」
「お湯、入れすぎたかも」
「最初から濃い目に作ってもらった方がいいかもね」

 でも、たしかにほんのりとスープの味は確認できた。これは、いけるかもしれない。

「ユリアもアーゲルも、何をそんなにそわそわしてるんだ?」

 いつものように昼食の席についたつもりが、午後、材料を揃えてスープを試作することを考えたら、ふたりともそわそわしてしまった。
 子供達の様子がいつもと違うのに気付くのだから、ジョイの観察眼はすごい。

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