転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 魔道具にどんな魔術語を刻むのかは魔道具の開発者次第だ。同じ効果を持つ言葉でも、組み合わせによっては相性が悪かったりする。
 ふたりで顔を付き合わせてああでもないこうでもないとやっている様子を、屋敷の人達は微笑ましそうに見守っていた。ふたりとも、見守られていることには気づいていない。
 そして一週間後。
 ティリスとロスティがやってきた。

「ふたりとも、久しぶり! 来てくれて嬉しい!」
「んー、可愛い! やっぱりユリアは癒しねぇ」

 ユリアが飛びつくと、ティリスはユリアを抱き上げる。頬ずりまでされて、ユリアはちょっぴり困惑する。

「私達が遺跡で発掘したあの箱が役に立つのかしら? 私、魔道具にはそこまで詳しくないのよ」

 その間に、ロスティはアーゲルの前に座る。彼の前に広げられている魔道具の設計書――魔道具に、どんな魔術語をどんな風に書くかを示したものを見て、彼女は首を振った。

「ふたりの手を借りないと、僕達だけじゃ無理だよ。お願い」

 頼むようなアーゲルの言葉に、ロスティは苦笑いの顔になった。だが、彼女はアーゲルの前にある設計書を引き寄せると真剣な顔でそれを確認し始めた。
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