転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 もう少し体力が着くまで、この家で力をつけておきたいというのがふたりの計画だけれど、さほどたたないうちにその計画は崩されてしまった。

 それは、ユリアとアーゲルが記憶を取り戻してから一週間後のことだった。

「じゃあ、僕はそろそろ出かけようかな」

 昼食後、ユリアと庭で過ごしていたアーゲルは、頃合いを見計らって立ち上がる。今日のアーゲルは、薬草を採って冒険者組合に売りに行く予定だそうだ。子供でもきちんと約束を守って採取すれば、薬草を買い取ってもらえるという。
 冒険者組合がこの世界にあるのも知らなかった。知らないことだらけである。

「……早く帰ってきてね」
「うん。おやつを買ってくるよ。何がいい?」
「甘いの」
「わかった。揚げパンにしようか」

 パン生地を揚げてたっぷりと蜂蜜をかけた揚げパンは、最高のおやつだ。
 砂糖はどちらかと言えば高級品ではあるが、蜂蜜ならば、領地内では普通に流通している。

「揚げパン好き!」

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