転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 アーゲルの差し入れがなかったら、ユリアは生き延びられなかったかもしれない。
 でも、アーゲルは領民達のことまでは見捨てたくないのだろう。

「ねえ、ジョイ。僕が行ったら、なにか役に立てる?」
「無理はしなくていいんだぞ。というか、魔物討伐の場にお前を連れていくつもりはない」
「そんなこと言っても、僕が嫌なんだよ。あの人達が自滅するだけならともかく、伯爵領の領民とか、この地の領民とかに被害が出るのもいやだ」
「あの家の人はともかくなんだ?」

 ユリアが横から突っ込むと、アーゲルは肩をすくめる。その仕草は子供らしからぬものだったけれど、ユリアも完全に同意だった。
 あの人達がどうなろうが自業自得と言うものだが、領民までは巻き込めない。

「……本当は、子供を連れて行きたくないんだがなぁ」

 ジョイは深々とため息をついた。

「けど、駄目って言っても行くんだろ?」
「だって、僕の魔術があればその場に転移できるしね。地図で見たら、通ったことのある場所だったよ」

 めったなことでは使わないが、アーゲルは転移の魔術を使うことができる。
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