転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 地面に突き倒され、したたかに肘を打ち付ける。痛いと思う間もなく、なんとかもがいて体勢を立て直そうとした。
 顔を上げれば、キラーコッコがこちらを見下ろしている。真正面から視線が合った。完璧にこちらを獲物とみなしている目だ。

「うわあんっ!」

 目の前に迫る鋭い嘴(くちばし)。その嘴がくわっと開かれた。
 ユリアは動くこともできず、その光景を茫然(ぼうぜん)と見ていた。
 嘴の中には、鋭い歯がびっしりと生えている。その歯の間から、舌がちろちろと動いた。

「嫌だ! 来ないで! こっちに来ないで!」

 手近なところにあった石を掴んで投げつけるが、そんなことでは魔物を退けるなどできるはずもない。
 もう駄目だ、と思い、両手で頭を抱え込んでぎゅっと丸くなる。せめて、少しでも痛みを感じないでいられればいいと願って。
 けれど、恐れていた痛みは襲いかかってこなかった。そのかわり、どさりと何かが地面に落ちる音がする。

「……ユリア」

 身体を包みこむのは、優しい腕。恐る恐る目を開けてみれば、アーゲルの身体ごしに見えるのは倒れた魔物の姿。

「……これって」

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