転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「そうか。それならばよかった――お前達も、サールドほどの才能があればよかったのだがな」

 思いがけないところから飛び火して、ユリアはうろたえた。なんて返せばいいのかわからない。

「……兄上のお役に立てるように頑張ります」
「頑張ります」

 何事もなかったかのようにアーゲルが言うから、ユリアもアーゲルの真似をしておくことにした。兄は頼りになるのだ。兄の真似をしておけば問題ない。

「おお、そうだな。お前達は役に立たないのだ。せいぜい励め」
「はい」
「……はい」

 アーゲルが即答するのに、ユリアは少々遅れて続く。せいぜい励めって、食事もろくに与えず、教師すらつけていないのにどうしろというのだろう。

「あなた。サールドがもっと魔物退治を練習できるように、また新しい魔物を取り寄せてくださいな」
「ああ。騎士団に捕獲させよう。森に行けば、いくらでも見つかるだろうしな」
「庭に放して後を追いかけるんだ。獲物を追う訓練にもなるから、足腰が鍛えられますよ、父上」

 なんであんなところに魔物がいるのだろうと思ったら、サールドに魔物を切る訓練をさせるために用意したものだったようだ。

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