転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 ケチャップやソースとかの作り方を興味本位で一度検索してみたことがある。その時は面倒だと思って作るのをやめてしまったが、今ならその手間だって惜しくはない。

「こういう時ってあれなんじゃないの?」

 鍋をかき回しながら、ユリアはつぶやいた。異世界に転生すると、日本の味が恋しくなるものらしい。

「あれって?」

 アーゲルは首を傾げた。意外と鈍いらしい。

「異世界転生のお約束。カレー!」
「ああ」

 前世で楽しんでいた創作物の中で、異世界転生した時に香辛料を集めてカレーを作るというのはよく見られた展開だ。
 あれはもう日本人の心のふるさとの味と言っても過言ではない。食欲がないと思っても、意外とぺろりと食べられるし。

「似たようなものは作れるんじゃないかなあ。香辛料は流通しているし」
「だよねー、というかもう誰か作ってる気がするの」

 小さな器にスープをとりわけ、ふぅふぅ吹いてから味見。うん、まあまあの出来である。
 ユリアはスープをすくうと、ふたり分の器に取り分ける。やっと腰を下ろせた。朝から歩いてきたから、足が棒のようになっている。

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