転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 なぜか、門を守っている騎士達は『星を守る者』に頭を下げていた。一行の乗った馬車は、他の人達が検査を受けている行列とは別の場所からするりと中に入ることを許された。
 ユリアとアーゲルは寄り添うようにして、じっと外の様子を見ていた。

(もしかして)

 と考えてしまうのは、前世で漫画を読み過ぎただろうか。アーゲルも油断のない目つきで周囲を見ている。
 やがて馬車が停められたのは、立派なお屋敷の前だった。

「ここ、どこ?」
「辺境伯様の屋敷だ」

 ゼバルの言葉に、アーゲルは立ち上がった。そして、ユリアを背後にかばう。

「僕達をどうするつもり?」
「どうもしないさ。ちょっといいか?」

 毛を逆立てた猫のようになっているアーゲルの前で、ジョイが膝をついた。彼の目の高さとアーゲルの目の高さが同じになって、ふたりの視線が至近距離で絡み合う。

「村での異変を辺境伯に報告しなきゃならんだろ。それと、もう一つ。俺からふたりに提案がある」
「提案って何?」

 アーゲルの声は低かった。その声には、嘘をついたら許さないというアーゲルの強い気持ちが込められている。
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