転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「おもちゃもある」

 ふと室内に視線を走らせたら、子供の好みそうなおもちゃや絵本などもたくさん置かれていた。
 ジョイがいつの間に辺境伯家に連絡していたのかは知らないが、きっと屋敷にやってくる子供のことを考えて用意してくれたのだろう。

「僕達、そのおもちゃで遊ぶような年でもないけどね」
「あら、にいちゃ。意外と楽しいよ」

 ユリアが手に取ったのは、可愛らしい人形だ。
 着せ替えできるようで、人形の服もたくさんあった。これも、辺境伯家の使用人の子が使っていたものだろうか。

「コーディネートするのもいいかも……」
「じゃ、僕は本でも読もうかな。もうちょっと難しいのも読ませてくれるといいんだけど」

 思い思いに好きなものを手に、時間を過ごす。ユリアだけではなく、アーゲルもきっとこの屋敷の人達に完全に心を許したわけではない。
 けれど、生家では与えられなかった人からの厚意を与えられて、無下にするのもなんだか違うような気がした。
 扉がノックされたのは、ふたりがのんびりし始めて三十分ほどが過ぎた頃だった。
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