転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 入ってきたのは、ジョイである。けれど、ユリアやアーゲルの知っているジョイとは違っていた。
 冒険者らしい簡素な服に身を包んでいたはずが、今は貴族の日常着だ。白いシャツ、クラヴァット、上着にトラウザーズ。

「……辺境伯家の人だったんだね」

 アーゲルに睨まれ、ジョイは苦笑した。

「僕達をだました?」
「まさか。家の方針で、『星を守る者』と一緒に行動させてもらってたんだよ。お前らを連れて来たのは、まー、訳ありだろって感じだったから?」

『感じだったから?』とそこで首を傾げながら言われても。思いがけないジョイの対応に、ユリアもアーゲルも目を丸くしてしまう。

「にいちゃに奴隷労働させたりしない?」
「お、難しい言葉知ってるな! 奴隷労働はさせないけど、勉強はしてもらうぞ。読み書き計算ができないと苦労するからな!」
「あ、僕、読み書き計算もう完璧。できるなら、絵本じゃない本が読みたい」

 アーゲルがぴっと手を上げると、ジョイは目を瞬かせた。

「本当に?」
「うん。ユリアも、読み書きはできるよね。字は下手だけど」
「そこで、余計なことを言わないで」

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