憧れのセカイへ!
「さぁ、いよいよ始まります、天美学院のチームコンテスト! 初めての方もいると思うので、説明いたします。チームコンテストとは、事前に組んだチームごとにステージを披露し、天美学院の先生方と、毎年恒例、トップコンテストで優勝した方が審査をし、優勝を決めます。今年も特別審査員はーー諏訪光里さんです!」
光里さんがステージに上がる。
その瞬間、「きゃーっ!」という声があちこちから聞こえてきた。
光里さん……いつもと変わらないみたい。やっぱりさっきのあれは、聞き間違いだったのだろうか?
そう思いたい。
「諏訪さんは中学一年生のときからトップコンテストで優勝し続け、四年連続トップの栄光を手にしています! そんな諏訪さんや先生方の審査も楽しみですね。では開演までもうしばらくお待ちください!」
今頃、梨央奈ちゃんたちは準備している頃だろうか。もうチームコンテストは開演まで迫ってきているのだから。
……でも、チームコンテストが終わったら。光里さんはどうするんだろう。
近藤先生との話が本当であれば、光里さんはもしかしたらーー。
そんな“もしも”のことを考えると、心が折れそうになってしまった。
「のぞみ、もうすぐ開演だね」
「そう、だね」
「……原さんから聞いたんだけど、のぞみさっきから様子おかしいんだって? まだ時間あるし、話して」
「でも、話していいか……分からないの。葵ちゃんのことを信用していないわけじゃないんだけど」
いや、嘘だ。わたしは心のどこかで、光里さんのことを葵ちゃんに話しても大丈夫なのかと疑っているのだろう。
“この話を誰かにバラされてしまったら”と不安になっている。葵ちゃんは絶対そんなことしないと言い切れないんだ。
チームメイトにそんな不信感を抱いているなんて、わたし、本当に最低だ……。
もう心が折れそうになる瞬間、葵ちゃんはわたしの手をぎゅっと握ってくれた。
「大丈夫。のぞみの気持ち分かってる。誰だって不安なことを打ち明けるのは勇気がいるよ……。だから今考えていることは話さなくていい」
「え、でも」
「わたしが話してって言ったのは、のぞみの今の気持ちのこと。きっと何かが自分の邪魔をしていて、集中できてないんでしょ?」
さすが、葵ちゃん……。何でもお見通しだね。
わたしは正直に首を縦に振った。
「わたしたちは、このコンテストで優勝をするって決めたよね。だから、何かを悩んで答えを出そうとするのはいいことだけど、きっとそれは今じゃない。今のぞみがするべきことは、目の前にある光を掴むことなんじゃない?」
「目の前にある光……」
思わず、パッと光里さんを見た。
そうだ。わたしは葵ちゃんと、このコンテストで優勝すると決めた。
そしたら少しは憧れた光に追いつけるのかも、って思った。
「葵ちゃんに言われて気がついたよ。わたしが今するべきこと。それは全力で楽しんで、頑張って、優勝を目指すこと!」
「うん、そうだよ。考え込むなんてのぞみらしくないんだから。原さんにも頼まれたんだ、のぞみを元気にしてあげてって。あの子口は悪いけど、やっぱりのぞみのことを大切なライバルだと思ってるみたいだね」
「梨央奈ちゃんが……? そっか、わたしこんなにも大切な人がいるのに、自分のことばかり考えてた」
葵ちゃんや梨央奈ちゃん、それに応援してくれる家族やファンのみんながいる。
なのにもし光里さんがいなくなってしまったら、わたしはどうすればいいのかなんてずっと考えていた。
わたしはもう、ひとりの人生じゃない。アイドルとしての人生が始まっていたんだ……!
「本当にありがとう。おかげで気持ちを切り替えることができたよ。今は目の前のチームコンテストに集中する」
「良かった! もう原さんと小田先輩のステージが始まるよ、行こう」
「うん!」
わたしは、葵ちゃんの手を取った。
一度決めたチームコンテストで優勝するという目標を叶えるために、今はこうするのが正解だと思う。
その目標を無事に叶えて、前を向いて勇気を出すことができたら……光里さんに、話そう。わたしの気持ちを。
光を掴もう、絶対に!
光里さんがステージに上がる。
その瞬間、「きゃーっ!」という声があちこちから聞こえてきた。
光里さん……いつもと変わらないみたい。やっぱりさっきのあれは、聞き間違いだったのだろうか?
そう思いたい。
「諏訪さんは中学一年生のときからトップコンテストで優勝し続け、四年連続トップの栄光を手にしています! そんな諏訪さんや先生方の審査も楽しみですね。では開演までもうしばらくお待ちください!」
今頃、梨央奈ちゃんたちは準備している頃だろうか。もうチームコンテストは開演まで迫ってきているのだから。
……でも、チームコンテストが終わったら。光里さんはどうするんだろう。
近藤先生との話が本当であれば、光里さんはもしかしたらーー。
そんな“もしも”のことを考えると、心が折れそうになってしまった。
「のぞみ、もうすぐ開演だね」
「そう、だね」
「……原さんから聞いたんだけど、のぞみさっきから様子おかしいんだって? まだ時間あるし、話して」
「でも、話していいか……分からないの。葵ちゃんのことを信用していないわけじゃないんだけど」
いや、嘘だ。わたしは心のどこかで、光里さんのことを葵ちゃんに話しても大丈夫なのかと疑っているのだろう。
“この話を誰かにバラされてしまったら”と不安になっている。葵ちゃんは絶対そんなことしないと言い切れないんだ。
チームメイトにそんな不信感を抱いているなんて、わたし、本当に最低だ……。
もう心が折れそうになる瞬間、葵ちゃんはわたしの手をぎゅっと握ってくれた。
「大丈夫。のぞみの気持ち分かってる。誰だって不安なことを打ち明けるのは勇気がいるよ……。だから今考えていることは話さなくていい」
「え、でも」
「わたしが話してって言ったのは、のぞみの今の気持ちのこと。きっと何かが自分の邪魔をしていて、集中できてないんでしょ?」
さすが、葵ちゃん……。何でもお見通しだね。
わたしは正直に首を縦に振った。
「わたしたちは、このコンテストで優勝をするって決めたよね。だから、何かを悩んで答えを出そうとするのはいいことだけど、きっとそれは今じゃない。今のぞみがするべきことは、目の前にある光を掴むことなんじゃない?」
「目の前にある光……」
思わず、パッと光里さんを見た。
そうだ。わたしは葵ちゃんと、このコンテストで優勝すると決めた。
そしたら少しは憧れた光に追いつけるのかも、って思った。
「葵ちゃんに言われて気がついたよ。わたしが今するべきこと。それは全力で楽しんで、頑張って、優勝を目指すこと!」
「うん、そうだよ。考え込むなんてのぞみらしくないんだから。原さんにも頼まれたんだ、のぞみを元気にしてあげてって。あの子口は悪いけど、やっぱりのぞみのことを大切なライバルだと思ってるみたいだね」
「梨央奈ちゃんが……? そっか、わたしこんなにも大切な人がいるのに、自分のことばかり考えてた」
葵ちゃんや梨央奈ちゃん、それに応援してくれる家族やファンのみんながいる。
なのにもし光里さんがいなくなってしまったら、わたしはどうすればいいのかなんてずっと考えていた。
わたしはもう、ひとりの人生じゃない。アイドルとしての人生が始まっていたんだ……!
「本当にありがとう。おかげで気持ちを切り替えることができたよ。今は目の前のチームコンテストに集中する」
「良かった! もう原さんと小田先輩のステージが始まるよ、行こう」
「うん!」
わたしは、葵ちゃんの手を取った。
一度決めたチームコンテストで優勝するという目標を叶えるために、今はこうするのが正解だと思う。
その目標を無事に叶えて、前を向いて勇気を出すことができたら……光里さんに、話そう。わたしの気持ちを。
光を掴もう、絶対に!