憧れのセカイへ!
全チームのステージが終わり、会場内ではあちこちで議論が行われていた。
「優勝はきっとユニークだよね。トップバッターですごいステージしてたし」
「分かる。凛香ちゃんも梨央奈ちゃんもすごく楽しそうに歌ってて、見てるこっちもワクワクしてきたよね!」
と、やはり観客にはユニークが一番人気みたいだった。
「ねぇねぇ、どのチームが優勝すると思う? やっぱりユニークかな?」
「ユニークも良かったけど、わたしはSolatioに優勝してほしいな」
「あー、Solatio良かったよね! 葵ちゃんとのぞみちゃんのチームワークが素敵だった」
わたしたちのチームの名前も、ちらほら聞こえてくる。その度に嬉しくてニヤけてしまう。
あの瞬間、わたしと葵ちゃんは最高のステージができたと思う。
「のぞみ、嬉しそうだね」
「あはは、バレてた? ……あ、そうだ、葵ちゃん。ごめんね、サビ前の大事なターンでミスしちゃって。あれだけ葵ちゃんが教えてくれたのに」
「あー、あのときね。いいよ、そんなの。咄嗟にカバーできて良かったよ」
「うん、本当に葵ちゃんが助けてくれて嬉しかった! 今度またターン教えて、次はミスしないように気をつける」
そう言うと、葵ちゃんの表情が曇った。
「……のぞみ、あのさ」
「ちょっとのぞみ、それ本気で言ってるの?」
「梨央奈ちゃん。本気でって、どういう意味?」
「今日でチームコンテストは終わり。これからは五ヶ月後にあるトップコンテストに向けての練習が始まるのよ。それがどういうことか分かってる?」
あ……そうだ。もうチームではなく、ひとりで頑張らなければいけない時期が始まるんだ。
冷たく悲しい事実が突きつけられる。
「葵だってのぞみの面倒見てばかりじゃいられないのよ。トップになるには相当な練習が必要なんだから。最も、あの光里さんを越えなければいけない」
「梨央奈、ありがとう。その通り、わたしたちがトップになるには、光里さんや先輩方、プロの子たちを越えなければいけない。のぞみの練習にも付き合ってあげたいけど、わたしはまだそんな余裕ないんだ」
「うん、ふたりの言う通りだね。ごめんね葵ちゃん、無理言って」
「ううん、こちらこそ。のぞみならすぐターンなんて完璧にできるようになるよ」
笑顔で頷いた。でもそれは本当の笑顔ではなかった。
……寂しい。そう思うと、胸がチクリと痛む。
これからも時々一緒に練習することはできるけど、ひとりで頑張っていかないと。
俯いていると、葵ちゃんが突然肩を優しく掴んできた。
「のぞみ。大丈夫、わたしたちの物語は終わってない」
「えっ」
「わたしたちはこれからがスタートだよ。アイドルとしてもっともっと活躍できるようになったら……Solatioとして、世界にデビューしよう!」
この学園内ではなく、世界で……?
わたしたちの物語はこれからがスタート。またひとつ、夢ができた。
「うん、そうだね、絶対しよう!」
「ありがとう、のぞみ」
「みなさん、お待ちかね結果発表の時間がやってきましたー! 今年は波乱の年になりました。準備はいいですかー?」
ドキン、とする。結果発表の時間がついにやってきた。
まず一位、二位、三位のチームを順位関係なく発表する。最後にその中から優勝のチームの名前を言われるんだ。
呼ばれたチームは壇に上がって、トロフィーを受け取ることができる。
「ではまず一チーム目は……ユニーク!」
「やりましたよ、凛香先輩!」
「うん、やったね原さん!」
すごい、ユニークが選ばれた……!
二チーム目に呼ばれたのは、高等部三年生の先輩方のチームだった。
残るは、あと一つ。わたしは両手をぎゅっと握りしめて、祈る。
「最後は……Solatio!」
「えっ、わたしたち!?」
「そうだよ、葵ちゃん! わたしたち選ばれたよ!」
ほっと一息ついた。
まさか三チームに選ばれるなんて……!
あとは、優勝を待つのみ。どのチームが選ばれてもおかしくないパフォーマンスだったと思う。
お願い、名前が呼ばれますように……!
「そして、映えある優勝チームを発表いたします。優勝は……Solatioー!」
うそ、本当に……?
まだ夢みたいにふわふわしていた中、葵ちゃんが抱きついてきた。
「やった、やったよ、のぞみ……っ」
「葵ちゃん、泣いてるの?」
「当たり前じゃない。だって、光を掴むことができたんだよ」
初めて見る葵ちゃんの泣いた姿。
それを見て、わたしは初めて優勝したことを、光を掴んだことを自覚した。
「ではSolatioのお二人は前へ」
わたしたちは壇に上がる。
ステージの壇上には、光里さんがいた。
「おめでとう、Solatio」
「ありがとうございます!」
「わたしはこれまで計三回、たくさんのチームを見てきました。その中でもSolatioは、とても強い絆をステージで見せてくれました。片方が失敗しても、もう片方が支える。それはチームにおいて素晴らしいことです。本当におめでとう!」
わたしたちは先生方からトロフィーを受け取った。
トロフィーはすごく重いけど、ふたりで持てば楽勝だった。
観客の方を向いてトロフィーを掲げると、たくさんの声援が聞こえてきた。
「葵ちゃん。わたし、嬉しくてたまらない。思いっきりはしゃぎたい気分」
「ふふ、のぞみらしいね。でも、わたしも同じ気分。だから!」
葵ちゃんは深呼吸をし、大きく口を開いた。
「みんなーっ! わたしたちSolatioは、いつかまた大きな会場でステージをすることを宣言します!」
「あっ、葵ちゃん!?」
そんな大きな宣言しちゃっていいの……!?
「それまでわたしたちは頑張ります、もっと成長します! そして、今ここで光を掴んだわたしたちの願いは……みなさんが陽だまりのような笑顔でいてほしいということです。これからもそんな笑顔を届けるようにわたしものぞみも頑張るので、応援よろしくお願い致します!」
「葵ちゃん……わたしからも、お願いします!」
わたしたちは深々と頭を下げた。
すると会場にわーっという歓声と拍手が響き渡った。
「Solatioずっと応援してるよー!」
「本当におめでとうー!」
「これからも頑張ってねー!」
「っ、みなさん……ありがとうございます!」
涙が溢れて止まらなかった。
きっとこの瞬間を一生忘れることはないだろう。憧れの光にまた一歩近づけたのだから。
これからも、大切な親友が隣にいてくれますように。
「優勝はきっとユニークだよね。トップバッターですごいステージしてたし」
「分かる。凛香ちゃんも梨央奈ちゃんもすごく楽しそうに歌ってて、見てるこっちもワクワクしてきたよね!」
と、やはり観客にはユニークが一番人気みたいだった。
「ねぇねぇ、どのチームが優勝すると思う? やっぱりユニークかな?」
「ユニークも良かったけど、わたしはSolatioに優勝してほしいな」
「あー、Solatio良かったよね! 葵ちゃんとのぞみちゃんのチームワークが素敵だった」
わたしたちのチームの名前も、ちらほら聞こえてくる。その度に嬉しくてニヤけてしまう。
あの瞬間、わたしと葵ちゃんは最高のステージができたと思う。
「のぞみ、嬉しそうだね」
「あはは、バレてた? ……あ、そうだ、葵ちゃん。ごめんね、サビ前の大事なターンでミスしちゃって。あれだけ葵ちゃんが教えてくれたのに」
「あー、あのときね。いいよ、そんなの。咄嗟にカバーできて良かったよ」
「うん、本当に葵ちゃんが助けてくれて嬉しかった! 今度またターン教えて、次はミスしないように気をつける」
そう言うと、葵ちゃんの表情が曇った。
「……のぞみ、あのさ」
「ちょっとのぞみ、それ本気で言ってるの?」
「梨央奈ちゃん。本気でって、どういう意味?」
「今日でチームコンテストは終わり。これからは五ヶ月後にあるトップコンテストに向けての練習が始まるのよ。それがどういうことか分かってる?」
あ……そうだ。もうチームではなく、ひとりで頑張らなければいけない時期が始まるんだ。
冷たく悲しい事実が突きつけられる。
「葵だってのぞみの面倒見てばかりじゃいられないのよ。トップになるには相当な練習が必要なんだから。最も、あの光里さんを越えなければいけない」
「梨央奈、ありがとう。その通り、わたしたちがトップになるには、光里さんや先輩方、プロの子たちを越えなければいけない。のぞみの練習にも付き合ってあげたいけど、わたしはまだそんな余裕ないんだ」
「うん、ふたりの言う通りだね。ごめんね葵ちゃん、無理言って」
「ううん、こちらこそ。のぞみならすぐターンなんて完璧にできるようになるよ」
笑顔で頷いた。でもそれは本当の笑顔ではなかった。
……寂しい。そう思うと、胸がチクリと痛む。
これからも時々一緒に練習することはできるけど、ひとりで頑張っていかないと。
俯いていると、葵ちゃんが突然肩を優しく掴んできた。
「のぞみ。大丈夫、わたしたちの物語は終わってない」
「えっ」
「わたしたちはこれからがスタートだよ。アイドルとしてもっともっと活躍できるようになったら……Solatioとして、世界にデビューしよう!」
この学園内ではなく、世界で……?
わたしたちの物語はこれからがスタート。またひとつ、夢ができた。
「うん、そうだね、絶対しよう!」
「ありがとう、のぞみ」
「みなさん、お待ちかね結果発表の時間がやってきましたー! 今年は波乱の年になりました。準備はいいですかー?」
ドキン、とする。結果発表の時間がついにやってきた。
まず一位、二位、三位のチームを順位関係なく発表する。最後にその中から優勝のチームの名前を言われるんだ。
呼ばれたチームは壇に上がって、トロフィーを受け取ることができる。
「ではまず一チーム目は……ユニーク!」
「やりましたよ、凛香先輩!」
「うん、やったね原さん!」
すごい、ユニークが選ばれた……!
二チーム目に呼ばれたのは、高等部三年生の先輩方のチームだった。
残るは、あと一つ。わたしは両手をぎゅっと握りしめて、祈る。
「最後は……Solatio!」
「えっ、わたしたち!?」
「そうだよ、葵ちゃん! わたしたち選ばれたよ!」
ほっと一息ついた。
まさか三チームに選ばれるなんて……!
あとは、優勝を待つのみ。どのチームが選ばれてもおかしくないパフォーマンスだったと思う。
お願い、名前が呼ばれますように……!
「そして、映えある優勝チームを発表いたします。優勝は……Solatioー!」
うそ、本当に……?
まだ夢みたいにふわふわしていた中、葵ちゃんが抱きついてきた。
「やった、やったよ、のぞみ……っ」
「葵ちゃん、泣いてるの?」
「当たり前じゃない。だって、光を掴むことができたんだよ」
初めて見る葵ちゃんの泣いた姿。
それを見て、わたしは初めて優勝したことを、光を掴んだことを自覚した。
「ではSolatioのお二人は前へ」
わたしたちは壇に上がる。
ステージの壇上には、光里さんがいた。
「おめでとう、Solatio」
「ありがとうございます!」
「わたしはこれまで計三回、たくさんのチームを見てきました。その中でもSolatioは、とても強い絆をステージで見せてくれました。片方が失敗しても、もう片方が支える。それはチームにおいて素晴らしいことです。本当におめでとう!」
わたしたちは先生方からトロフィーを受け取った。
トロフィーはすごく重いけど、ふたりで持てば楽勝だった。
観客の方を向いてトロフィーを掲げると、たくさんの声援が聞こえてきた。
「葵ちゃん。わたし、嬉しくてたまらない。思いっきりはしゃぎたい気分」
「ふふ、のぞみらしいね。でも、わたしも同じ気分。だから!」
葵ちゃんは深呼吸をし、大きく口を開いた。
「みんなーっ! わたしたちSolatioは、いつかまた大きな会場でステージをすることを宣言します!」
「あっ、葵ちゃん!?」
そんな大きな宣言しちゃっていいの……!?
「それまでわたしたちは頑張ります、もっと成長します! そして、今ここで光を掴んだわたしたちの願いは……みなさんが陽だまりのような笑顔でいてほしいということです。これからもそんな笑顔を届けるようにわたしものぞみも頑張るので、応援よろしくお願い致します!」
「葵ちゃん……わたしからも、お願いします!」
わたしたちは深々と頭を下げた。
すると会場にわーっという歓声と拍手が響き渡った。
「Solatioずっと応援してるよー!」
「本当におめでとうー!」
「これからも頑張ってねー!」
「っ、みなさん……ありがとうございます!」
涙が溢れて止まらなかった。
きっとこの瞬間を一生忘れることはないだろう。憧れの光にまた一歩近づけたのだから。
これからも、大切な親友が隣にいてくれますように。