憧れのセカイへ!
トップコンテストが終わったあとは、学園内で打ち上げをすることになっていた。
みんなでお菓子やジュースを買って、パーティーをする。
「あ、いたいた、のぞみーっ」
「葵ちゃん、そんなに急いでどうしたの?」
「先生が、入賞者のみんなで写真を撮ってくれるんだって」
「分かった!」
入賞者という言葉に、まだ慣れない。
わたしが、まさか二位という順位になれるなんて……。
一位になれなかったのは何度考えても悔しいけど、それが今のわたしの実力。光里さんには敵わない。
憧れの光をもう少しで掴めそうだったのも、事実。でもいいんだ。光が遠くにあることで、わたしは走り続けることができるから。
「あ、のぞみちゃん」
「光里さん」
ピカピカと輝く金色のトロフィーを持った光里さんがいた。
「トップ本当におめでとうございます!」
「ありがとう。のぞみちゃんのおかげだよ」
「わたしの?」
「ステージ前、のぞみちゃんが気持ちを伝えてくれたから。その気持ちを聞いて、わたしは大切なことを思い出した。周りの人がいるから、わたしは光り輝けるということに」
わたしは強く頷いた。
光里さんの言っていることが、とても勉強になる。
「わたしはお母さまにはなれない。でも、これからも憧れを抱いて、走り続ける」
「はい」
「だから、のぞみちゃんも無理してわたしに追いつこうとしなくていいんだよ」
「えっ?」
光里さんは、くすっと笑った。
「初めて会ったとき言ってたでしょ? わたしに追いつきたいと思ったって」
「はい……」
「のぞみちゃんはのぞみちゃんらしく光り輝いてね。もちろんわたしを憧れにしてくれるのは嬉しいけどね」
わたしは、わたしらしく光り輝く……。
光里さんの輝きには、わたしはなれない。でも、自分なりに光り輝けばいいってことなんだね。
「でも、いつか……本気でのぞみちゃんと戦いたいと思ってる。そのときまで、共に頑張ろうね。わたしはずっと、上で光り輝いているから」
「はい。いつか絶対光里さんの隣に並べるように、ううん、越えることができるように頑張ります!」
「うん。待ってるよ、のぞみ」
「はっ、はい!」
光里さんはにこっと笑って、去ってしまった。
……わたしはあの憧れの光里さんに、ライバルとして認められたのかもしれない。
いつか絶対、光里さんを越えることができるように頑張ろう!
「お姉ちゃーん」
「ここみ!」
応援に来てくれていたここみがわたしのもとに走ってきた。
隣にはここみと同い年くらいの女の子がいる。
「お姉ちゃん、二位おめでとう」
「ありがとう、ここみ」
「それでね、紹介したい子がいるの。ほら、ひまり」
「ここみ、ちょっと待って、心の準備がっ」
“ひまり”と呼ばれたその子は何か恥ずかしがっている様子だった。
「はぁ、もう、ひまりが言わないならわたしが言うよ。お姉ちゃん、わたし天美学院を受けるって言ったでしょ? この子、ひまりも受けるんだ」
「そうなんだ! ひまりちゃんて言うんだね。ここみの友達?」
「は、ははははいっ」
何だかすごく緊張しているような……?
大丈夫かな、と心配になってしまう。
「それでひまりさ、お姉ちゃんの大ファンなんだって。ね」
「そうなの!?」
「っ、はい……! のぞみちゃんを見て……天美学院を受験しようって決めたんです」
「え、わたしを見て?」
ひまりちゃんはゆっくり頷いた。
「のぞみちゃんみたいなステージがしたいって思って……そのために、天美学院を受験することを決めました。受かるかは、分からないんですけど」
「ありがとう! すっごく嬉しい。わたし、天美学院で待ってるね」
「のぞみちゃん……! はい!」
ひまりちゃんの瞳は、キラキラと光り輝いていた。そこにはわたしが映っている。
そのとき、光里さんと重なったような気がした。
……光里さんが言ってた通り。わたしが光り輝けるのは、こうやって応援してくれてる人が身近にいるからなんだ。
「ここみ、ひまりちゃん。本当に応援してくれてありがとう」
「はい!」
「じゃあお姉ちゃん、また後でね」
ふたりが帰るのを見送って、わたしはパーティーをする部屋に向かった。
そこに足を踏み入れると、グラスを持った葵ちゃんと梨央奈ちゃんがいた。
「のぞみ、待ってたよ」
「遅くなってごめんね。葵ちゃん、梨央奈ちゃん。いつもありがとう」
「なっ……何よ急に!」
「ただ感謝を伝えたくなったの。わたしが光り輝けるのは、みんなのおかげだって気づいたから」
葵ちゃんは、それに答えるかのように微笑んだ。
「わたしも。ふたりとも、いつもありがとう」
「もう、そんなお礼なんていらないわよ! そんなのお互い様だしっ」
「梨央奈……やっぱりいい人だよね」
「葵まで何言うのよ! のぞみも、笑うなっ」
わたしたちは、笑いあった。この瞬間こそが、最高にかけがえのない青春だと思う。
「みなさーん、パーティーの幕開けですよー!」
「あ、始まるみたい」
「グラスを手に持って、いきますよー。せーのっ」
「カンパーイ!」
みんなが上に掲げたグラスは、とてつもなく光り輝いていた。
小さな光でもいい。それはいつか、大きな光に変わるから。
これからも憧れのセカイで、光に追いつけるように走り続けようーー……!
みんなでお菓子やジュースを買って、パーティーをする。
「あ、いたいた、のぞみーっ」
「葵ちゃん、そんなに急いでどうしたの?」
「先生が、入賞者のみんなで写真を撮ってくれるんだって」
「分かった!」
入賞者という言葉に、まだ慣れない。
わたしが、まさか二位という順位になれるなんて……。
一位になれなかったのは何度考えても悔しいけど、それが今のわたしの実力。光里さんには敵わない。
憧れの光をもう少しで掴めそうだったのも、事実。でもいいんだ。光が遠くにあることで、わたしは走り続けることができるから。
「あ、のぞみちゃん」
「光里さん」
ピカピカと輝く金色のトロフィーを持った光里さんがいた。
「トップ本当におめでとうございます!」
「ありがとう。のぞみちゃんのおかげだよ」
「わたしの?」
「ステージ前、のぞみちゃんが気持ちを伝えてくれたから。その気持ちを聞いて、わたしは大切なことを思い出した。周りの人がいるから、わたしは光り輝けるということに」
わたしは強く頷いた。
光里さんの言っていることが、とても勉強になる。
「わたしはお母さまにはなれない。でも、これからも憧れを抱いて、走り続ける」
「はい」
「だから、のぞみちゃんも無理してわたしに追いつこうとしなくていいんだよ」
「えっ?」
光里さんは、くすっと笑った。
「初めて会ったとき言ってたでしょ? わたしに追いつきたいと思ったって」
「はい……」
「のぞみちゃんはのぞみちゃんらしく光り輝いてね。もちろんわたしを憧れにしてくれるのは嬉しいけどね」
わたしは、わたしらしく光り輝く……。
光里さんの輝きには、わたしはなれない。でも、自分なりに光り輝けばいいってことなんだね。
「でも、いつか……本気でのぞみちゃんと戦いたいと思ってる。そのときまで、共に頑張ろうね。わたしはずっと、上で光り輝いているから」
「はい。いつか絶対光里さんの隣に並べるように、ううん、越えることができるように頑張ります!」
「うん。待ってるよ、のぞみ」
「はっ、はい!」
光里さんはにこっと笑って、去ってしまった。
……わたしはあの憧れの光里さんに、ライバルとして認められたのかもしれない。
いつか絶対、光里さんを越えることができるように頑張ろう!
「お姉ちゃーん」
「ここみ!」
応援に来てくれていたここみがわたしのもとに走ってきた。
隣にはここみと同い年くらいの女の子がいる。
「お姉ちゃん、二位おめでとう」
「ありがとう、ここみ」
「それでね、紹介したい子がいるの。ほら、ひまり」
「ここみ、ちょっと待って、心の準備がっ」
“ひまり”と呼ばれたその子は何か恥ずかしがっている様子だった。
「はぁ、もう、ひまりが言わないならわたしが言うよ。お姉ちゃん、わたし天美学院を受けるって言ったでしょ? この子、ひまりも受けるんだ」
「そうなんだ! ひまりちゃんて言うんだね。ここみの友達?」
「は、ははははいっ」
何だかすごく緊張しているような……?
大丈夫かな、と心配になってしまう。
「それでひまりさ、お姉ちゃんの大ファンなんだって。ね」
「そうなの!?」
「っ、はい……! のぞみちゃんを見て……天美学院を受験しようって決めたんです」
「え、わたしを見て?」
ひまりちゃんはゆっくり頷いた。
「のぞみちゃんみたいなステージがしたいって思って……そのために、天美学院を受験することを決めました。受かるかは、分からないんですけど」
「ありがとう! すっごく嬉しい。わたし、天美学院で待ってるね」
「のぞみちゃん……! はい!」
ひまりちゃんの瞳は、キラキラと光り輝いていた。そこにはわたしが映っている。
そのとき、光里さんと重なったような気がした。
……光里さんが言ってた通り。わたしが光り輝けるのは、こうやって応援してくれてる人が身近にいるからなんだ。
「ここみ、ひまりちゃん。本当に応援してくれてありがとう」
「はい!」
「じゃあお姉ちゃん、また後でね」
ふたりが帰るのを見送って、わたしはパーティーをする部屋に向かった。
そこに足を踏み入れると、グラスを持った葵ちゃんと梨央奈ちゃんがいた。
「のぞみ、待ってたよ」
「遅くなってごめんね。葵ちゃん、梨央奈ちゃん。いつもありがとう」
「なっ……何よ急に!」
「ただ感謝を伝えたくなったの。わたしが光り輝けるのは、みんなのおかげだって気づいたから」
葵ちゃんは、それに答えるかのように微笑んだ。
「わたしも。ふたりとも、いつもありがとう」
「もう、そんなお礼なんていらないわよ! そんなのお互い様だしっ」
「梨央奈……やっぱりいい人だよね」
「葵まで何言うのよ! のぞみも、笑うなっ」
わたしたちは、笑いあった。この瞬間こそが、最高にかけがえのない青春だと思う。
「みなさーん、パーティーの幕開けですよー!」
「あ、始まるみたい」
「グラスを手に持って、いきますよー。せーのっ」
「カンパーイ!」
みんなが上に掲げたグラスは、とてつもなく光り輝いていた。
小さな光でもいい。それはいつか、大きな光に変わるから。
これからも憧れのセカイで、光に追いつけるように走り続けようーー……!


