憧れのセカイへ!
その日からわたしは、自己アピールについて研究することにした。
本を読んだり、友達に聞いたり、自分の良いところを考えたり。
でもそれを表すとなると、意外と難しいことに気づいた。
「のぞみ、ちょっといいー?」
「あ、うん、大丈夫だよー」
お母さんとここみは心配してくれているようだった。
時計を見ると、二十三時を上回っていた。
「お姉ちゃん、最近夜遅くまで勉強してるよね」
「うん、実は今度生放送番組に出ることになったんだけど、自分の良いところが全然分からなくて。ふたりはわたしの良いところ、なんだと思う?」
ふたりは悩んだ末、答えてくれた。
「お母さんは、のぞみが頑張り屋さんなことすごく知ってるから、それが一番の良いところだと思うよ」
「あー、確かに。お姉ちゃんは頑張りすぎて無理する人だもんね」
「えー、そうかなぁ。それって褒めてる?」
「褒めてるよー」
でもそっか、わたし頑張り屋なのかな。
人からそう言ってもらえるととても嬉しい。
自分ではまだまだ努力が足りないくらいだと思ってしまうから。
「それにしてもすごいわね、生放送の番組に出られるなんて。お母さんびっくりしちゃった」
「大丈夫なの、お姉ちゃん。もうあと三日しかないんでしょ」
「そうなんだよねぇ。早く自己アピールを学ばなきゃ」
「頑張ってね、のぞみ。お母さんもここみも応援してるから」
わたしは「ありがとう!」と言って学校へ向かった。
そして教室に着いてすぐ葵ちゃんの席へ行った。
「葵ちゃん、おはよう!」
「おはよう、のぞみ。今日は慌ててどうしたの」
「あのね、葵ちゃんは自己アピールについて理解してる?」
「えっ、なに、自己アピール? そうね……一応分かってるつもりだけど。ラジオとかでよくそんな感じのこと話してるし」
さすが葵ちゃん。やっぱり着実にプロに近付いていってるんだと思う。
「わたし、自己アピールが何だかよく分からなくて。教えてくれないかな、葵ちゃん。わたしの良いところってなに?」
「うーん、のぞみの良いところは何度も言ってるけど笑顔だと思うよ。わたしはね。でも自己アピールっていうのは、他人から言われたことよりも自分が思う良いところを言ったほうがいいよ。自分自身が、魅力的だと思うことを」
「……そっか。自分で自分の良いところを見つけなきゃ、ダメなんだね」
わたしはずっと……他人にばかり頼っていた。それがダメなわけではない。
でも今回は、自己アピールは、自分で見つけなければいけないんだ。
「ありがとう。わたし、もう少し頑張ってみるよ!」
「うん、その意気だよ、のぞみ」
走って図書室へ向かう途中、女の子たちの「きゃーっ」という声が聞こえてきた。
気になってそこへ行ってみると、光里さんがいた。
相変わらず光里さんのオーラはすごく輝いている。
「あっ、のぞみちゃん」
「あっ、光里さん! おはようございます」
久しぶりに会ったからか、やっぱり光里さんと話すのは緊張しちゃうなぁ。
変に緊張してしまうわたしにも、光里さんはいつものように接してくれた。
「久しぶりだね、のぞみちゃん。最近どう?」
「はい……実は今度生放送の番組に出演することが決まったんですけど、なかなか上手くいかなくて。自己アピールについて悩んでいて」
「自己アピールね、わたしも昔よく悩んでた」
「えっ、光里さんが?」
信じられない。あの光里さんがわたしと同じ悩みを抱えたことがあるなんて。
「のぞみちゃんはアイドルになりたいという夢を持って、この天美学院まで来ることができた。そしてお仕事も増えて、頑張り続けている。それって、自分に自信がないとできないことじゃない?」
「あ……確かに」
「だからきっと、本当はのぞみちゃんも気づいてるんじゃない? 自分の気持ちに」
わたしは……光里さんを初めて見て、夢を見つけた。こんなアイドルになって、光里さんに追いつきたい、って。
そして一年以上経った今でも、その夢は変わっていない。スタートを踏み出したけれど、まだまだ見えないゴールを追い続けている。
それはきっとーー……!
「やっと、気づきました。ありがとうございます、光里さん」
「良かった。わたしは何もしてないよ、全部のぞみちゃん自身の力なんだから。頑張ってね」
「はい!」
そっか。自己アピールをそんな難しく考えなくて良かったんだ。
だってわたしは、自分の気持ちを知っているから。この熱い想いを抱えているから。
それはきっと誰にだって負けない。わたし自身を強くする力に変わるんだ。
わたしを一番強くしてくれる憧れの存在、光里さんがそのことに気づかせてくれた。
早速、図書室で自分の“気持ち”をノートにまとめた。
スラスラと書ける。やりたいこと、挑戦してみたいこと、不安なこと、夢も全て。
この全ての気持ち全部が、自己アピールに繋がるとわたしは思った。
本を読んだり、友達に聞いたり、自分の良いところを考えたり。
でもそれを表すとなると、意外と難しいことに気づいた。
「のぞみ、ちょっといいー?」
「あ、うん、大丈夫だよー」
お母さんとここみは心配してくれているようだった。
時計を見ると、二十三時を上回っていた。
「お姉ちゃん、最近夜遅くまで勉強してるよね」
「うん、実は今度生放送番組に出ることになったんだけど、自分の良いところが全然分からなくて。ふたりはわたしの良いところ、なんだと思う?」
ふたりは悩んだ末、答えてくれた。
「お母さんは、のぞみが頑張り屋さんなことすごく知ってるから、それが一番の良いところだと思うよ」
「あー、確かに。お姉ちゃんは頑張りすぎて無理する人だもんね」
「えー、そうかなぁ。それって褒めてる?」
「褒めてるよー」
でもそっか、わたし頑張り屋なのかな。
人からそう言ってもらえるととても嬉しい。
自分ではまだまだ努力が足りないくらいだと思ってしまうから。
「それにしてもすごいわね、生放送の番組に出られるなんて。お母さんびっくりしちゃった」
「大丈夫なの、お姉ちゃん。もうあと三日しかないんでしょ」
「そうなんだよねぇ。早く自己アピールを学ばなきゃ」
「頑張ってね、のぞみ。お母さんもここみも応援してるから」
わたしは「ありがとう!」と言って学校へ向かった。
そして教室に着いてすぐ葵ちゃんの席へ行った。
「葵ちゃん、おはよう!」
「おはよう、のぞみ。今日は慌ててどうしたの」
「あのね、葵ちゃんは自己アピールについて理解してる?」
「えっ、なに、自己アピール? そうね……一応分かってるつもりだけど。ラジオとかでよくそんな感じのこと話してるし」
さすが葵ちゃん。やっぱり着実にプロに近付いていってるんだと思う。
「わたし、自己アピールが何だかよく分からなくて。教えてくれないかな、葵ちゃん。わたしの良いところってなに?」
「うーん、のぞみの良いところは何度も言ってるけど笑顔だと思うよ。わたしはね。でも自己アピールっていうのは、他人から言われたことよりも自分が思う良いところを言ったほうがいいよ。自分自身が、魅力的だと思うことを」
「……そっか。自分で自分の良いところを見つけなきゃ、ダメなんだね」
わたしはずっと……他人にばかり頼っていた。それがダメなわけではない。
でも今回は、自己アピールは、自分で見つけなければいけないんだ。
「ありがとう。わたし、もう少し頑張ってみるよ!」
「うん、その意気だよ、のぞみ」
走って図書室へ向かう途中、女の子たちの「きゃーっ」という声が聞こえてきた。
気になってそこへ行ってみると、光里さんがいた。
相変わらず光里さんのオーラはすごく輝いている。
「あっ、のぞみちゃん」
「あっ、光里さん! おはようございます」
久しぶりに会ったからか、やっぱり光里さんと話すのは緊張しちゃうなぁ。
変に緊張してしまうわたしにも、光里さんはいつものように接してくれた。
「久しぶりだね、のぞみちゃん。最近どう?」
「はい……実は今度生放送の番組に出演することが決まったんですけど、なかなか上手くいかなくて。自己アピールについて悩んでいて」
「自己アピールね、わたしも昔よく悩んでた」
「えっ、光里さんが?」
信じられない。あの光里さんがわたしと同じ悩みを抱えたことがあるなんて。
「のぞみちゃんはアイドルになりたいという夢を持って、この天美学院まで来ることができた。そしてお仕事も増えて、頑張り続けている。それって、自分に自信がないとできないことじゃない?」
「あ……確かに」
「だからきっと、本当はのぞみちゃんも気づいてるんじゃない? 自分の気持ちに」
わたしは……光里さんを初めて見て、夢を見つけた。こんなアイドルになって、光里さんに追いつきたい、って。
そして一年以上経った今でも、その夢は変わっていない。スタートを踏み出したけれど、まだまだ見えないゴールを追い続けている。
それはきっとーー……!
「やっと、気づきました。ありがとうございます、光里さん」
「良かった。わたしは何もしてないよ、全部のぞみちゃん自身の力なんだから。頑張ってね」
「はい!」
そっか。自己アピールをそんな難しく考えなくて良かったんだ。
だってわたしは、自分の気持ちを知っているから。この熱い想いを抱えているから。
それはきっと誰にだって負けない。わたし自身を強くする力に変わるんだ。
わたしを一番強くしてくれる憧れの存在、光里さんがそのことに気づかせてくれた。
早速、図書室で自分の“気持ち”をノートにまとめた。
スラスラと書ける。やりたいこと、挑戦してみたいこと、不安なこと、夢も全て。
この全ての気持ち全部が、自己アピールに繋がるとわたしは思った。