クロとシロと、時々ギン

永遠の誓い(14)

「私は……」

 口に出してもいいか一瞬躊躇したが、すぐに心を決める。
 ここで言わなければ後悔する時が来るかもしれない。

「私はまだシロ先輩と一緒に仕事がしたいです。シロ先輩のそばで仕事がしたいです。私が頼んでも、シロ先輩の気持ちは変わりませんか?」

 私は素直な気持ちを吐露した。
 シロ先輩は私の言葉を聞くと嬉しそうな笑みを見せた。それからゆっくりとした口調で言う。

「お前になら俺の仕事を任せられる。お前は、俺の自慢の後輩だから」

 シロ先輩が私を信頼してくれていることは分かっているつもりだった。
 それでも、面と向かって言われると胸に来るものがある。
 シロ先輩の決意は固いようだ。
 それなら、私のやるべきことは決まっている。
 私は一度目を瞑り、深呼吸をしてから目を開く。

「分かりました。シロ先輩のこと応援します」

 シロ先輩の信頼に応えられる人間になろう。
 それがシロ先輩に対する一番の恩返しだと思うから。
 私はこれからもっと成長しなければならない。
 そう決意した。

 私の表情が引き締まったことに気づいたのか、シロ先輩は満足そうに微笑む。
 私の頭をポンポンと叩き、そのまま手を置いた。
 シロ先輩の手の感触は、いつだって心地良い。
 幸せの重さを感じながら私はシロ先輩の顔を見る。
 聞かなければいけないことがまだ残っている。

「シロ先輩が転職をすることはわかりました。それで、その……わ、私たちのこれからについて……ですが」

 心臓がバクバクと音を立てている。
 明らかに表情を硬くした私を見て、シロ先輩は苦笑いを浮かべ、それから少し照れたように言う。

「さっきも言っただろ。俺は、お前と一緒にいたいって」

 その言葉で、私の心臓はさらに激しく脈打ち出す。
 息をするのも忘れるほどにシロ先輩の顔に見入ってしまう。
 シロ先輩はそんな私に真剣な眼差しを向け続けている。
 まるで私の心の中を見透かすような鋭い視線にドキッとする。
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