優秀な後輩で私も嬉しく思うので、どうぞ『先輩離れ』してください
そのまま早足で自席に戻り、ようやく息を吐いた。
確かに、このプロジェクトを始めてからの私たちはあまりにも息が合っていた。私が詰まれば彼が補足し、彼が提示したデータに対して疑問が飛べば私が肉付けをする。距離を置いていた期間が嘘のような連携だったと自分でも思った。でも、それが逆に『何かある』と思わせているのだとしたら、少しばかり心臓に悪い。
ロクに頭に入らないまま先程の会議の資料を見返していた時、昼休憩を知らせるチャイムに手を止める。ちょうどいいタイミングだ。頭を切り替えようと息吐けば、ふいに頭上から声が降ってきた。
「先輩。お疲れ様です」
一ノ瀬くんがいつも通りの顔で私のデスクの横に立っていた。どうやら呼び出されていた件は片付いたらしい。特に忙しくしている様子ではない彼を見上げ、そして首を傾げた。
「お疲れ様。どうしたの?」
「ランチ行きません?」
急な提案に固まってしまう。
ランチ?なんでまたそんな変わったことを提案してきたのだろう。行きたいか行きたくないかで問われれば、面倒だし行きたくない。でも、それを真正面から言ったところで彼は認めてくれないだろう。何かそれらしい言い訳をしなければ。
「さ、さっきの会議の資料を見返したいから、今日は、」
「却下です。昼休憩は脳を休める時間ですよ。ほら行きますよ、予約してあるんで」
「え、予約って何……ちょっと、一ノ瀬くん!」
有無を言わさぬ手つきで腕を引かれ、私はフロア中の視線を浴びながらエレベーターへと連行された。
確かに、このプロジェクトを始めてからの私たちはあまりにも息が合っていた。私が詰まれば彼が補足し、彼が提示したデータに対して疑問が飛べば私が肉付けをする。距離を置いていた期間が嘘のような連携だったと自分でも思った。でも、それが逆に『何かある』と思わせているのだとしたら、少しばかり心臓に悪い。
ロクに頭に入らないまま先程の会議の資料を見返していた時、昼休憩を知らせるチャイムに手を止める。ちょうどいいタイミングだ。頭を切り替えようと息吐けば、ふいに頭上から声が降ってきた。
「先輩。お疲れ様です」
一ノ瀬くんがいつも通りの顔で私のデスクの横に立っていた。どうやら呼び出されていた件は片付いたらしい。特に忙しくしている様子ではない彼を見上げ、そして首を傾げた。
「お疲れ様。どうしたの?」
「ランチ行きません?」
急な提案に固まってしまう。
ランチ?なんでまたそんな変わったことを提案してきたのだろう。行きたいか行きたくないかで問われれば、面倒だし行きたくない。でも、それを真正面から言ったところで彼は認めてくれないだろう。何かそれらしい言い訳をしなければ。
「さ、さっきの会議の資料を見返したいから、今日は、」
「却下です。昼休憩は脳を休める時間ですよ。ほら行きますよ、予約してあるんで」
「え、予約って何……ちょっと、一ノ瀬くん!」
有無を言わさぬ手つきで腕を引かれ、私はフロア中の視線を浴びながらエレベーターへと連行された。