優秀な後輩で私も嬉しく思うので、どうぞ『先輩離れ』してください
翌朝、目を覚ますと温かい何かに包まれていた。最初は何も分からなかったが、次第に記憶が鮮明になっていく。
(私、一ノ瀬君に『一緒に寝たい』とか言った気が、)
羞恥と同時に血の気が引く。もしこの記憶が正しいのなら、背中に感じているこの熱は、
「……」
考えるのをやめよう。
うん、B級ホラーよりもホラー展開だから。さっさと起きて、リビングで座っていれば何もなかったことに出来る。私は甘えてないし、一ノ瀬君の記憶違いということで全てを収めよう。
そう意気込んで体を起こそうとした時、回されていた腕に一層力が込められる。ゆっくり解こうとするも、上手くいかない。
「はぁ…」
諦めて後ろから抱きついてきている彼を振り返る。相変わらず綺麗な顔をしており、その端正さは寝ている時でさえも惜しげもなく発揮されていた。そういえば、彼が寝ているのを見るのは初めてかもしれない。以前泊まらせてもらった時も、彼の方が早く起きていた。だからこそ、意外だった。
(意外と幼い顔してるのね)
目元にかかっている髪を払えば、んん…と小さく呻き声が上がる。そして、ゆっくりと瞼が持ち上がった。
「「………」」
しばらく無言で見つめ合う。寝起き特有のぼんやりした目をした一ノ瀬君は、眉間に皺を寄せている。何か声を掛けるべきなのか迷っていると、彼は私を腕の中から解放した後、そのまま押し倒すような体勢になった。
「…ん?」
「あはは、おはよう…」
若干目を逸らしながら挨拶すれば、目が覚めたらしい彼は慌てて上から退いてくれた。ベッドの上に座ったまま固まっている彼に合わせるように、私も上半身を起こす。
「僕、何もしてませんよね?」
「うん」
「よかった~…」
すぐに頷けば、長くため息を吐かれた。顔を覆ってしまい見えないが、酷く安心した様子だ。
「そもそも、私から一緒に寝たいって言ったんだし、何かあっても責めないよ」
「責めてください。なんで雑に片付けようとするんですか」
眼鏡をかけながら呆れたように言われる。
(私、一ノ瀬君に『一緒に寝たい』とか言った気が、)
羞恥と同時に血の気が引く。もしこの記憶が正しいのなら、背中に感じているこの熱は、
「……」
考えるのをやめよう。
うん、B級ホラーよりもホラー展開だから。さっさと起きて、リビングで座っていれば何もなかったことに出来る。私は甘えてないし、一ノ瀬君の記憶違いということで全てを収めよう。
そう意気込んで体を起こそうとした時、回されていた腕に一層力が込められる。ゆっくり解こうとするも、上手くいかない。
「はぁ…」
諦めて後ろから抱きついてきている彼を振り返る。相変わらず綺麗な顔をしており、その端正さは寝ている時でさえも惜しげもなく発揮されていた。そういえば、彼が寝ているのを見るのは初めてかもしれない。以前泊まらせてもらった時も、彼の方が早く起きていた。だからこそ、意外だった。
(意外と幼い顔してるのね)
目元にかかっている髪を払えば、んん…と小さく呻き声が上がる。そして、ゆっくりと瞼が持ち上がった。
「「………」」
しばらく無言で見つめ合う。寝起き特有のぼんやりした目をした一ノ瀬君は、眉間に皺を寄せている。何か声を掛けるべきなのか迷っていると、彼は私を腕の中から解放した後、そのまま押し倒すような体勢になった。
「…ん?」
「あはは、おはよう…」
若干目を逸らしながら挨拶すれば、目が覚めたらしい彼は慌てて上から退いてくれた。ベッドの上に座ったまま固まっている彼に合わせるように、私も上半身を起こす。
「僕、何もしてませんよね?」
「うん」
「よかった~…」
すぐに頷けば、長くため息を吐かれた。顔を覆ってしまい見えないが、酷く安心した様子だ。
「そもそも、私から一緒に寝たいって言ったんだし、何かあっても責めないよ」
「責めてください。なんで雑に片付けようとするんですか」
眼鏡をかけながら呆れたように言われる。