あおいくん、付き合って!
「ひょっとして、ラブレター⁉」

 陸が目をキラキラさせながら、俺の手元をのぞき込んでくる。

「いやいや、まさか……」

 今までモテなかった俺に、そんな奇跡があるわけがないだろ……。

 そんなことを自分に言い聞かせながら、封筒の中の便せんを開くと。

「えっと……【この手紙を読んだら、すぐに中庭に来てください】って、ラブレター⁉」

「おおっ! 蒼にも春が来たか⁉」

 陸の目がさっきよりも輝きを増した。

「今は夏だぞ。春はとっくに通りすぎてる」

「何言ってんだよ~。これまで恋愛沙汰のれの字もなかったから冬だったんだよ」

「氷河期かよ⁉ あと、沙汰は余計だって!」

「まーまー、とりあえず、ラブレターが届いてよかったじゃん。じゃあ、手紙をくれた子とどうなったか、あとで連絡くれよ~!」

「あっ、おい!」

 俺が止める間もなく、陸は風のように一目散で校舎を飛び出していった。
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