一日の終わり、恋の始まり。


「金曜日で残業続きなだけでも、きついのに……」


彼が、空を見上げて言った。


「雪まで、ですね」

「ほんと災難です」


笑って言ったつもりなのに、
どこか本音が混じってしまう。


「…このあと、どうします?」


少しだけ間を置いて、彼が続けた。


「……とりあえず、タクシー、ですかね」

「そう、ですね」


彼はえっと…と、ためらうように言った。


「一緒に、見に行きます?」

「…はい」


一人で探す選択肢もあったはずなのに、
その気遣いが嬉しい。


それだけでもう少しだけ、
この夜が続いてもいい気がした。


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