一日の終わり、恋の始まり。


外に出ると、雪は思ったより強い。
道路を見てもタクシーの気配はなかった。


「今日は厳しそうですね」

「みたいですね」


タクシーアプリも反応しない。
寒さで肩をすくめながら、二人で苦笑する。


「このまま立ってるよりどこか入ります?」


断る理由は、なかった。
頷くと彼はホッとしたように笑った。


駅前のファミレスに入ると、
暖かい空気が一気に体を包んだ。
コーヒーを頼んで、向かい合う。


仕事の話を少し。
愚痴になるほど深くは話さない。
ただ、


「大変ですね」
「分かります」


それだけで、十分だった。


気づけば、時間がゆっくり流れている。


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