あの娘と私

女友達

 今日も私は美佐子と昼食を食べている。
 次はどんな映画を観に行こうかなんて話しながら。

 美佐子の口がふと閉じられる。
 私は美佐子を見なくても、美佐子がどんな表情で誰を見ているか分かる。


 でも涼は美佐子にも譲れない。
 そう思って美佐子を盗み見る。

 今、私も酷い目をして美佐子を見ているのだろうか。


 「美佐子、どうしたの?」

 私は分かっていて声をかける。

 「ううん、なんでもない」

 私はパスタを食べるのをやめて、そう答えた美佐子を見た。

 「……ねえ、美佐子。もし、美佐子の大切なものと、私の大切なものが被ったらどうする?」



 美佐子がはっとしたように私を見た。美佐子の目には複雑な光が宿っていた。
 私はその目を受け止める。

 「できれば半分こしたいけど……出来ないなら、争う、かな。だって、大切なものなんでしょう?」

 美佐子は私の目をしっかりと見て正直に言ってくれた。そんな美佐子に私は応戦するように美佐子を見た。

 「そうだね。私もそうすると思う。大切なものだから、手は抜けない」

 美佐子は無言で頷いた。

 「でも」

 私は続ける。美佐子は続きを促すように首を傾げた。

 「でも、そうなっても、私は美佐子が好きだと思うよ」

 私の言葉に美佐子はふわっと笑った。

 「そうだね。私も泰子が好きなままだと思う」


 美佐子の言葉に私も微笑む。

 女同士だから、譲れないものもある。
 でも、女同士だから、繋がっていることもある。


 私は美佐子に危機感を覚えながらも、でも美佐子に憧れるのは変わらないと思う。

 美佐子は宣戦布告をしてきた。
 涼にアプローチしてくるかもしれない。
 ドロドロな争いになるかもしれない。

 でも、私は涼も美沙子も好き。
 今のままの関係を望むことは甘い考えかもしれない。それでも願わずにはいられない。
 取り合いになっても友情は続いて欲しいと。


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