アンコールはリビングで
「……マジか。意外すぎるわ。……まだまだ、凪のことで知らないことたくさんあるんだな」

俺は小さく笑い声を漏らしながら、ソファから少しだけ身を乗り出し、彼女の首の後ろで、ネイビーの細い紐を手に取った。

指先が、彼女の温かくて滑らかな肌に微かに触れる。

そのたびに、凪の肩がビクッと小さく跳ねるのが分かった。

(……肌、すげぇ白い。それに、めっちゃ柔らかい)

ごくり、と。

無意識に喉を鳴らして唾を飲み込む。

それを誤魔化すように、俺はわざと手早く、彼女のうなじのあたりで丁寧にリボン結びを作ってやった。

「……ほら、結べたぞ。これで良いか?」

「……っ、うん。ありがと、湊!」

俺が手を離すと、凪はホッとしたように立ち上がり、そして。

ゆっくりと、俺の方へと身体の向きを変えた。

< 1,008 / 1,077 >

この作品をシェア

pagetop