アンコールはリビングで
「……どう、かな……?」

恥ずかしさがまだ抜けきらないのか、凪は後ろで手を組み、少しだけモジモジとしながらはにかむように俺を見つめてきた。

俺のプレゼン(策略)によって選ばれた、俺好みの水着を身に纏った、世界で一番愛している女。

バックには、ライトアップされたナイトプールと、藍色に沈みかけた夏の空。

(……ああ。もう、これだけでここに来た甲斐があったわ)

俺の今年の夏は、間違いなく、今この瞬間に極まった。

俺が言葉を失って見惚れていると、凪が不思議そうに小首を傾げた。

「湊? 何ぼーっとしてるの! ほら、一緒にプール入ろうよ!」

彼女は心底楽しそうな笑顔を浮かべ、俺の手を取ってぐいっと引っ張った。

俺の策略にハマって連れてこられたわけだが、凪は凪で、この非日常の空間と時間を心から楽しんでくれているらしい。

その無邪気な笑顔がたまらなく嬉しくて、俺は「おう」と短く応え、彼女に手を引かれるまま、カバナのステップから夜のプールへと足を踏み入れた。

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