アンコールはリビングで
「……っ、すご……!」

凪は目を輝かせて、パチパチと水の中で小さな拍手をした。

「湊、すっごく綺麗! 泳ぐのめちゃくちゃ上手なんだね!」

「別に、普通だろ。子どもの頃にスイミング通ってただけだ」

「普通じゃないよ。ギターも弾けて、歌も上手くて、料理もできて、泳ぎも完璧なんて……湊って、やっぱなんでもこなしちゃうんだね」

「……」

手放しで褒めちぎられ、俺は照れ隠しに前髪をガシッと掻き上げた。

大好きな彼女に「なんでもできる」と尊敬の眼差しを向けられるのは、正直、めちゃくちゃ気分がいい。

俺の胸の奥で、男としての自尊心と得意げな感情がふくらんでいく。

「……凪は後ろでリボン結びもできねぇけどな」

「っ! それはもう言わないでってば!」

俺が意地悪く囁くと、凪は顔を真っ赤にして、バシャッと俺の顔に向かって軽く水をかけてきた。

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