アンコールはリビングで
水の中で、素肌と素肌がぴったりと密着する。

俺の太ももに彼女の柔らかな足が触れ、水温の冷たさとは裏腹に、お互いの体温が熱く交じり合う。

俺は彼女の顎を指ですくい上げると、抗議の言葉を紡ごうとしたその唇を、深く塞いだ。

水と塩素の匂いに混じって、凪の甘い息が流れ込んでくる。

誰かに見られるかもしれないという背徳感が、キスをさらに熱く、深くさせていく。

彼女が息苦しそうに俺の肩にしがみついてくるまで、俺はその柔らかな唇を離さなかった。

「……っ、はぁっ、……みなと、ほんとに、だめ……っ」

唇を離すと、凪は潤んだ瞳で俺を睨みつけながら、肩で息をしていた。

「……分かってる。続きは、帰ってからな」

俺は彼女の濡れた頬にチュッと音を立ててキスをし、名残惜しさを押し殺して、彼女の腰から手を離したのだった。

< 1,015 / 1,077 >

この作品をシェア

pagetop