アンコールはリビングで
「……っ、だめ」

凪の手が、俺の胸板をそっと押し返した。

「……ここ、外だよ? プールでは流されちゃったけど……今度は、だめ。部屋戻ってからにしよ……?」

ギリギリの理性で俺を制止する彼女の声は、微かに震え、上擦っていた。

ここでキスなどしてしまえば、自分自身が理性を保てなくなると分かっているのだろう。

「……っ、反則だろ、その言い方」

俺は、煽られた熱をどうにか腹の底に押し込め、小さく舌打ちをして彼女の額にコツンと自分の額をぶつけた。

「……そうと決まれば、さっさと部屋戻るか」

俺は残りのモヒートを一気に飲み干し、凪の手を引いてバーを後にした。

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