アンコールはリビングで
それは当然だ。

昨日の夜、この部屋のドアが閉まった瞬間から、私は彼に何度も何度も求められ続けたのだから。

腰から太ももにかけて残る微かな筋肉痛が、昨晩の甘くて激しい記憶を鮮明に蘇らせる。

「……っ」

思い出しただけで顔が熱くなり、私はシーツの中で小さく身じろぎをした。

その時。

(……あれ?)

すぐ近くから、じっと見つめられているような、強い視線を感じた。

恐る恐る、隣へと顔を向ける。

「……うそ」

「おはよう」

そこには、湊がいた。

彼は私のすぐ隣で、枕に肩肘をつき、手で頭を支えながら横向きに寝転がって、私の顔をじっと見つめていたのだ。

というか、私が目を覚ます前から、ずっとそうやって私を見ていたに違いない。

< 1,032 / 1,077 >

この作品をシェア

pagetop