アンコールはリビングで
5. 優しい罠

「……んっ、……湊……ふふっ、くすぐったい……」

「……可愛い。その声、もっと聞かせろよ」

彼の手が、私の背中からゆっくりと腰のカーブをなぞっていく。

その手の動きに、映画のようなロマンチックな空気が、ほんの少しだけ生々しい熱を帯び始めた。

「ね、ねぇ……湊?」

「ん?」

彼は私の首筋にキスを落としながら、全く悪びれる様子もなく短い返事をした。

手の動きは、一向に止まらない。

「あの……昨日、たくさん……し、したよね……?」

「まあ、そこそこな?」

(そこそこ!?!?)

夜景の前でも、ベッドの上でも、最後の方はもう意識が半分飛んでいたというのに。

あれで「そこそこ」だと言うなら、この人の体力はどうなっているのだろう。

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