アンコールはリビングで
「っ、湊、ずるい……! さっきの甘いの、計算だったの……っ!?」

「人聞きの悪いこと言うなよ。俺は純粋に、凪を甘やかすって言ってんの」

彼がニヤリと、いつもの俺様で意地悪な笑みを浮かべた。
気がついた時には、時すでに遅し。

私の身体は、先ほどまでの彼の優しいキスのせいで、すでに芯から溶かされ、彼のペースに完全に巻き込まれてしまっていたのだった。

カーテンの向こうでは、今日もきっと、東京の夏が照りつけている。

雑誌の見開きで澄ました顔をしているこの人の、こんな朝の顔を、まだ、誰も知らない。

いや、この先も私が独り占めするんだ、と胸の内で決めて、彼の腕の中へと、静かに沈んでいった。
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