アンコールはリビングで

52 休日の女王様

1. 土曜日のソファ

七月最初の土曜日。

私は、湊のダボダボな黒いライブTシャツをすっぽりと被ったまま、リビングのソファにゴロンと寝転がっていた。

小柄な私が男性用のXLサイズを着ると、襟元からは片方の鎖骨がのぞき、裾は膝の少し上まで届いてしまう。

もはやTシャツというより、丈の短いワンピース状態だ。

寝返りを打つたびに、少しよれた生地からかすかに彼の匂いがして、それだけでほっとする。

六月中の週末をすべて日本中のステージに捧げていた湊は、ツアーファイナルを終えてから現在、丸一週間の完全オフをもらっている。

その貴重な休養期間も、残すところ今日と明日の二日だけになっていた。

二人の休みが丸ごと重なる日なんて、次にいつ巡ってくるのか分からない。

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