アンコールはリビングで
2. 完璧な朝食

「お待たせ。ほら、食うぞ」

エプロン姿の湊がダイニングテーブルに並べたのは、私の好みを完璧に押さえた和定食だった。

ふっくらと皮まで香ばしく焼かれた塩鮭に、納豆。

ほうれん草の胡麻和えと、なめことワカメがたっぷり入ったお味噌汁。

身につけているのは、私とお揃いのネイビーのエプロンだ。

広い肩幅と厚い胸板に、シンプルなエプロンがよく似合っている。

先週の日曜日に東京ドームで五万人を熱狂させていた人が、今朝は私のために台所でお味噌汁をよそっているなんて、何度見ても同じ人だとは思えなくて、愛おしさで胸がキュッとなる。

「わぁ……! 湊、すごい! 全部私の好きなやつだ」

「当たり前だろ。凪がいつも気にしてる腸内環境に良いやつ、選んで作ってんだから」

得意げに鼻を鳴らした湊は、私の向かいの席に座りながら、ニヤリと口角を上げた。

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